人間の「五感」とは視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚を言うが、今回は「触覚」について徒然に思うことを書きたい。
生後三ヶ月になった悠助はベビーバスを卒業して、一緒に風呂に入れるようになった。子供を抱いて風呂にはいるのはとても気持ちがいい。肌の触れあいにこちらも癒されるものを感じる。
最近の世の中は子供の頭をなでるのもはばかられるようで、「触れる」という良さが見失われている様な気がする。
ところで、すし職人はほとんど男性で、おにぎりは女性が握った方がおいしく感じるのはなぜだろうか?ご飯を握ることはかわらないと思うのだが…にぎり寿司は体温の変化の多い女性は不向きという話を聞いたことはある。しかし、男の握ったおにぎりにはあまり食欲がわかない。冷と温の違いだろうか?
やはり、にぎりめしは「おふくろの味」だ。先日、神楽坂の焼きおにぎり店「わかまつ」から出火し、9棟が焼けてしまった。88歳の女将は軽傷だったそうだが、もう営業は難しいだろう。かつて長谷川親男先生に連れて行ってもらった思い出がある。女将の歌舞伎談義を聞きながらの焼きおにぎりは最高だった。ああいう味のある店が少なくなってしまうのはとても残念である。
最後に時々、裸足で庭に出てラジオ体操をしているが、素足に芝生の感触が心地よく、天を突くように腕を伸ばすと肩のコリがとれる。これも「天地とのふれあい」である。土に触れると心が落ち着くと石川紀代子さんもよく言っておられる。
天地と人との「ふれあい」をもう一度見直し、改めて五感を研ぎ澄ませたいと思う。