先日ある会議で、最近の子供達について「背中を向けて輪を作っている」という話を聞いた。数人の子供達が部屋に集まり、一人はゲームを、一人は楽器を、一人はパソコンを、一人はマンガを読みながら…その空間にいる。お互い干渉しない。けれども背中の後ろには自分を傷つけない友達がいる安心感がある。
僕らは野球や缶蹴りやディスコの世代。まだ内をむいて輪を作っていたと思う。もっと前は肩を組んで国家社会に向かっていった世代。さらに前は敵国に向かっていた?。
携帯電話やメールのせいだと大人は言うかもしれないが、一番の原因は、家族で食卓を囲む回数が少なくなったことではないかと私は思う。サザエさん一家はいつも家族で食卓を囲み、波平がカツオを叱る…。「それでいいのだ」と多くの大人は思っているが、翻(ひるがえ)って自らの家庭はどうなっているだろうか?週に何回家族で食事をしたり、話をするか?食費を削ってブランドの子供服を着せて出かける母親もいるという。
「背中を向けて輪を作っている」子供達を作ったのはだれか?改めて家庭のありかたを問われる時代であると思う。