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気ままに綴るエッセイ

教会長が気ままに綴るエッセイです。
行事報告もこちらで行いますのでお楽しみに。

2009年01月18日

大震災の陰でお役に立った人たちに学ぶ

今年は阪神大震災から14年となり、地元の町会連合会でも様々な防災に対する取組が行われた。私は1月15日に渋谷区新橋地区町会連合会の主催する震災フォーラムに参加した。
講演は「震災時の通信と安否確認」「エレベーターの構造とイザという時の対処」「地域住民、町内会と事業所等の連携による、地域防災体制構築の可能性について」などであったが、なかでも私が最も興味をひいたのは「阪神大震災時、FM放送の果たした役割」という兵庫エフエムラジオ元代表取締役社長小榑雅章(こぐれ・まさあき)氏の講演だった。
1995年1月17日午前5時46分、あの阪神・淡路大震災が発生し、6434人の方が亡くなられ、全半壊家屋は460357世帯に及んだ。このとき神戸のキッスエフエムの社長であった小榑さんは、「とにかく情報がなければ不安で生きられない。地域の被災者に必要な情報を提供するのが放送局の使命」と考え、あらゆる番組を変更して、震災情報を流し続けた。「まず医者、病院。どこにいけば治療してくれるか」「食物アレルギーの子どもはどうしたらいいか」「どこへ行ったら食べられるか」「パンクを直してくれる自転車屋さん」「被災外国人への情報」「入れ歯、メガネの情報」など被災者の細かい要望に応えた情報を3/31まで流し続け、放送局には様々なFAXが寄せられたという。
その話の中で、避難所のトイレや公衆便所の掃除をしたのはダスキンの社員の人たちだったという話があった。「地元の企業として何か役に立ちたい、被災者が一番困っていることは何か…自分たちの経営資源、仕事のノウハウが最も役立つことは何か、と考えたときトイレの掃除と、避難所の人たちの下着の洗濯だと思い当たった」という。
約1ヶ月間、西宮市内の193カ所の避難所や公衆便所の掃除を行い、6つのクリーニング工場をフル活用して、神戸市、芦屋市、西宮市など20万人の下着の洗濯をボランティアでくりかえし3ヶ月間。ダスキンはそれを1円の報酬もなく、宣伝の利用もなく、ボランティアとして行った。にもかかわらず、その後の不祥事で汚名を着たのは、企業活動の難しさを痛感する。と話していた。
ダスキンの創業者鈴木清一氏は金光教の信者で「喜びのタネをまこう」という祈りの経営で、その奉仕の精神は代々受け継がれた。
あの大震災の陰で、その社員の人たちがそんな活躍をされていたことを私は14年たって初めて知らされたのである。このことは多くの方に知っていただきたい。これこそ徳積みである。そしていつか必ず報われるときが来ると思った。
教祖様が山本定次郎さんに伝えた教えに「信心する人は神様に参るばかりではない。銭ももらわずお礼も言うてもらわず、至急な時に格別の親切を尽くし、救難にかかりておる人を助ける時に早く行きてやり、火事の場合にも早く行きて、火を消す働きを早く潔くすれば、真の信心親切となる。何事にも心がけておりなさい」とある。
いつ私たちが大災害に遭っても、自分と家族、信奉者の身の安全を確保した後で、自分たちに何ができるかを考えさせられ、そして立教150年の御年に「どうしたら神様に喜んでいただけるか」を改めて求めさせられた。

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